桜散る

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入部届が担任から渡され、部活動結成まで1週間の時間がある。 この一週間は部員を求めて上級生達が必死で勧誘をする。また、放課後には部活動見学が出来るので、一年生は色々な場所を見学をしに訪れる。 だが、横須賀は既に弓道部に入ることを決めていたため、特に見学もせず部活動結成の日を迎えることとなった。 後になって一回くらいは見に行った方が良かったかとも思ったが過ぎた話だ、ブンブンと首を横に振り考えるのをやめた。 弓道部の集合場所は2階にある2年2組の教室だ。 「失礼します」 ガラガラと引き戸を引いて入ると 「待ってました!!ようこそ弓道部へ!!!」 横須賀を大いに歓迎するように上級生が迎えてくれた。教室内には席の三分の一が埋まる程度の人がいた。 「良かった、これで男子も来年も5人立ちで戦えるな!」 と、1人の上級生の男子が嬉しそうに言った。彼の足元を見ると、赤色のスリッパを履いているので3年生のようだ。 1年生はこっちに座ってね、と廊下側の席の方に案内された。先に座っている他の1年生の顔をチラッと見てみれば、初めて見る顔ばかりだ。 その中で「なんでお前がここに」とでも言いたげな表情でこちらを見る生徒がいた。 「あれ、西条くんも弓道部だったんだ。いやぁ偶然だね。」 「なんでお前がここにいるんだ」 横須賀が言いそうに思っていた言葉を本当に言ったので思わず笑いがこみ上げてきたが、笑うと絶対怒る気がしたため、微笑みだけを見せ西条の隣の席に座った。 「何でって、弓道部に入部するからだよ」 「……でも見学には一度も来てなかったよな。まぁいい、それよりも他にも席空いてるんだから別の席座れよ。」 「えぇ~、西条くんてば冷たい!俺たち友達じゃん!!」 「友達だったの?」 「えっ、友達と思ってたの俺だけ?!」 新事実が発覚し、横須賀は大きなショックを受けた。 その後集合時間になり、青嵐高校弓道部が発足された。3年生はそれなりに人がいるが、2年生は男女合わせて2人ずつのわずか4人。そして1年生は男子4人、女子3人が新たに加わった。 男子は横須賀と西条を含め、他に堀田流(ながる)、大賀(おおが)純という。 女子はそれぞれ白浜凛子、島田百合、矢口亜美という。 この日、何故か顧問は来なかった。
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