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夢は諦めなければいつかきっと叶う、なんて。
そんなのは所詮綺麗ごとで、現実はそんな甘いものじゃない。
高校卒業後、服飾デザインの専門学校を卒業した私は念願のデザイン業界へと足を踏み入れた。
しかしそこに待っていたのは、夢で描いて来たものとは全く違う現実主義。
デザインがどうのよりコスパ、全ては数字で判断され、売れない服は容赦なく断裁されて行く。
そのうえ、デザイナー同士の確執だとか人間関係も複雑で。
卒業して2年も経つ頃には、精神的に限界へと達してしまった。
憧れだけじゃメシは食えない。
そんなことは分かっていたつもりでも、平和主義だった私にはどうしても馴染めない世界だった。
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