そして、出会い

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"分隊システム"  分隊――つまりチームのことだ。  約9千万人のプレイヤーの中から、そのときログインしているアバターを無差別に抽出して分隊を組ませる。  その後ランダムに設定されたマップに送還され、その国の兵士と戦闘を繰り広げるのだ。  また、兵種などもランダム編成らしい。……が、大体俺は衛生兵か偵察兵と言った、『直接攻撃をしない』戦闘員に割り振られることが多い。  もちろん分隊のメンバーは全員知らない方々。  ……そんな中での全体ボイスチャットなので、注意されると恥ずかしいわけだ。  はぁ、と小さくため息を吐きながらも、俺は分隊長の命令通り『M82A1』を降ろした。  腰から双眼鏡を取り出して、敵の拠点の様子をうかがう。  ……。  …………。  敵NPCの数はざっと見ても50人は超えていそうだ。  そして敵拠点の後方から運ばれてくる3両の戦車。あれは援軍だろうか?  さらに前方では数人の兵士がバリケードを設置している。  こりゃまずいな。  俺はメニュー画面を呼び出して、ボイスチャットを選択する。 「こちら前衛、偵察兵。敵基地にバリケードが設置中、早急な対処をお願いしたい」  報告からわずかな間が生まれる。  俺がハラハラしながら待っていると、ノイズと共に分隊長の渋い声が流れ始めた。
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