4章

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ほとんど眠れない内に、闇が薄まってきた。 マーサはじじとばばの家で、息を詰めるようにその時を待っていた。 「お願い…上手くいって…。」 町はまだ多くの人が眠っている時間。でも、だんだん明るくなってきて、魔術師の力がだんだん弱まる時間。 そして。 誰も気付くものはなかっただろう。 ぐわん! 王様から、一瞬大きな波動が放出された。時空にわずかに歪みが生じたがそれも一瞬だった。 そして、明け方早く、遠くの山々から起き出してくる鳥たちの目の前で、昨日蒔かれた様々な種が見る間に芽を出し育ち、一気に一面鮮やかな新芽の緑に覆われ、ほどなく一面花を咲かせ始めた。 波動に合わせ、王様の囚われた家に近い場所から次々と、黒い世界に彩り鮮やかなやさしい波が寄せていくように、変化していったのだ。 鳥たちは歌った。 僕たちの撒いた種が咲いた!全部、いっぺんに咲いた! 鳥たちのいつにないにぎやかさに、人々も起き出してきた。 「あ…!」 「おぉ!」 「色が!色が戻ったぞ!」 町中に色が溢れた。
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