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王様にはマーサという若い娘がいた。
王様に連れられ、幼い頃から頻繁に城下に来ては、子どもたちと泥だらけになったり転んでケガをしたり喧嘩をしたりしながら、町の子供達と一緒に仲良く遊んでいた。王様も、親同士の輪に入り、子どものことや今年の作物の出来や美味しい食べ物や今年の祭りについてなど、会話を楽しんだ。尊大なところがなく、庶民的な感覚を備えていたので、人々は王様たちを素晴らしい施政者として誇りに思い、この国に生まれて幸せだなと言い合っていた。
マーサはあまり見映えのよい容姿ではなかったが、誰もそれを気にしてはいないようだった。王様と同じく親しまれ、大変人々に可愛がられていた。
病の王様のために人々が心を込めて持ち寄る品々を、マーサも一つ一つ心を込めて受けとり、感謝の言葉をかけた。
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