143人が本棚に入れています
本棚に追加
バブル全盛期、今思えば個人情報なんか気にしない時代だった。
席こそ隣のテーブルに移動したものの、ユリコが受ける面接内容は俺に丸聞こえ。
まるっきり一目惚れ状態の俺は、耳がパラボラアンテナのようにユリコをロックオン。
ユリコには両親がいなかった。
北海道出身で、俺と同い年の15歳。
日本列島を、北から仙台、東京、名古屋へと、寮付きの水商売を転々と南下していた。
親がいないから、自分の居場所がないんかなぁ? 落ち着く場所を探しているんかなぁ?
俺も親戚の家をたらい回しにされていたから似た者同士だ。気持ちは分かる。
色白で、ツヤツヤと滑らかな黒髪と、守ってあげたくなる様な華奢な体型に上品な目鼻立ち。
惚れたね!
店長、ユリコの面接、合格にしてくれ!
最初のコメントを投稿しよう!