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「奴は見つかったか?」
暗い空間の中には、大きな画面がいくつも並び、その隅には半透明な液体が『何か』と詰められたケースが静かに立ち止まっていた。聞こえるのはカタカタというキーボードの音、ピッ…ピッ…という規則的な音、そして中央に立つ男の話し声だった。
「すいません、見失いました」
「何をやっている、早急に見つけ出せ。第一位をいつまでもここに置いておくわけにも行かんだろう!」
指示を出すその男の声も焦りがあった。
「しかし、こちらが用意したセキュリティもウィルスもあっさり突破されてしまいまして」
「僕の作ったやつもか?」
「ええ…」
「ちっ、化物めぇ!」
頭を掻きむしりながら叫び散らす。
ここは管理室。言うなれば、『この世界の管理棟』である。 多くの精密機械が並立し、数々の尊厳が立ち上がっては崩れ落ちる。果たして『彼女』は立ち上がる方か、落ち行く方か。
「早急に見つけ出して処理しろ、あの二ノ宮勇を!」
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