一話

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そして、その幻想は入学式直前にてあっさりと崩壊した。 「あっ」 「あっ(--;)」 出会い頭に2人揃ってそんな声を上げた。 「君ってさっきの?」 サイドテールの女の子は少し嬉しそうになって歩み寄った。 「同じクラスだったんだね」 「…この際、初対面ってことにしませんか?」 「なんで!?」 「いや、なんというか…」 完全に嫌い意識が入っているためか、なんだか話しにくい。突然のリセット宣言に向こうも目を丸くして驚いている。 「えっと、とりあえず私は渦巻まきって言うんだけど、よろしくね」 「えっ、あ、はい…ってこれ自己紹介しないといけない流れですか?」 首をかしげる美結。 「えっ、しないの?」 「しなくていいのならなるべくしたくないです」 「えぇっ!?なんで?!」 「それに何なんですか、『渦・マキマキ』って?芸名ですか?『渦☆マキマキ』なんですか?」 「違うよっ!『渦巻、まき』なんだよ!」 「それじゃあ『渦巻、まき』さん?」 「いや別にその一拍まで名前じゃないから!」 なんて一連のコントを済ませた後、お互いにお互いの顔を見合った。 ((なんか変な人と知り合っちゃった…)) 「それで、結局なんて名前なの…?」 「逆廻、美結です…」 少し俯き加減でそう答える。面倒だなとため息でもつきたい美結に対して、この人、マキの方は照れてるのかな?なんて能天気である。 「じゃあ、よろしく美結!」 「嫌です」 「ふぇ!?」 「いきなり呼び捨てってデリカシー無さ過ぎですよ」 「い、いいじゃない。仲良くしようよ」 「丁重にお断りします」 「ひどいっ!」
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