一話

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私立櫻彩学園。 生徒数1000強、敷地面積も通常の高等学校のそれを4倍近く上回る、国内屈指のマンモス校である。 この学園が建立したのはこの10年のこと。その真の目的はひとえに『能力者』の育成である。 能力者という存在が社会の主流になってから、すでに10年以上経つ今の社会では、日本の総人口の実に9割が能力者であった。 最初の発見は100年前まで遡る。 ロシアの過疎地帯のある村で突然、火を吹く赤ん坊が発見された。それ以来、能力者は瞬く間にその数を増やし、現在では年齢層幅広く、老若男女が能力者だ。 そして、ちょうど今から10年前にようやく憲法、法律、条例が能力者に対応するものに全て生まれ変わり、日本が能力者国を認めたのだ。 話は戻り、この櫻彩学園は、その当時に建てられた有名な高校であり、そして新しい日本の象徴とも言える、教育機関なのである。
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