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バレンタインの夜。
遊園地でバイトするシュウジは、出入口付近で、同僚のサトコが待っていることに気付いた。
「バレンタインのチョコレートを渡すんだな」
シュウジは顔がにやけて仕方がない。
スタッフルームにいる男子は自分だけ。
残っているのは、バイトリーダーのミリカだけだ。
シュウジはトイレの鏡でサっと髪型を直した。
「ミリカさん、お先っす」
「うん、お疲れさま。私もそろそろ帰るかな。あ、バレンタインなのに、義理チョコもあげずにごめんね」
「いいっすよ~」
シュウジは
「義理チョコなんていらね~ぜ。本命チョコが待ってるし」
サトコに近づくシュウジ。
「ねえ、オレを待ってたんじゃね? 遅くなってごめんね」
「違います。あ、ミリカさん!」
サトコはミリカの方へと満面の笑みで走っていき、チョコレートボックスを渡した。
シュウジはその場をダッシュで走り去った。
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