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俺氏、魔界に着陸する。
俺は死を覚悟していた。あの高さから落ちたら普通地球上では助からないだろう。
あくまでも地球上では。
ある程度落ちた時、急に体が軽くなった。
「えっ…なんか…重力が弱くなった気が…グフゥッ!」
急に止まったので吐き気がした。
「あー、大丈夫?言ってなかったけどこの辺重力が地球の7分の1なんだよねー。」
「お前っ…言ってないこと…多すぎだろ…オウフッ…。」
地球の7分の1ということは月よりも重力が軽いということになる。道理で急に軽くなるわけだ。
そしてまたある程度下に行った時、俺は地面に叩きつけられた。
「いっ…グホッ…オアッ…どういう事だベル…ってなんだよその身体…ガチモンの魔王じゃねえか…。」
俺は子鹿のように立ち上がり、身体が豹変したベルに問いかけた。
「あー、これも言ってなかったね。そりゃあ魔王だもん。こっちが本当のベルゼブブ。さっきまでは人間に擬態してたんだよねー。」
「あのさぁ…角生えてる時点で擬態出来てないよね…。」
こいつは人間に擬態出来ていたと思っていたのだろうか。
とりあえず今の見た目は羽が生え、角は伸び、目は紅く光っている。おまけに体色も灰色っぽくなっている。
(それを考えるとまあまあ擬態出来ていた方なのか…?)
途端にベルが話しかけてきた。
「じゃあとりあえずこっちに来てもらうよー。」
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