俺氏、魔界に着陸する。

1/1
前へ
/7ページ
次へ

俺氏、魔界に着陸する。

俺は死を覚悟していた。あの高さから落ちたら普通地球上では助からないだろう。 あくまでも地球上では。 ある程度落ちた時、急に体が軽くなった。 「えっ…なんか…重力が弱くなった気が…グフゥッ!」 急に止まったので吐き気がした。 「あー、大丈夫?言ってなかったけどこの辺重力が地球の7分の1なんだよねー。」 「お前っ…言ってないこと…多すぎだろ…オウフッ…。」 地球の7分の1ということは月よりも重力が軽いということになる。道理で急に軽くなるわけだ。 そしてまたある程度下に行った時、俺は地面に叩きつけられた。 「いっ…グホッ…オアッ…どういう事だベル…ってなんだよその身体…ガチモンの魔王じゃねえか…。」 俺は子鹿のように立ち上がり、身体が豹変したベルに問いかけた。 「あー、これも言ってなかったね。そりゃあ魔王だもん。こっちが本当のベルゼブブ。さっきまでは人間に擬態してたんだよねー。」 「あのさぁ…角生えてる時点で擬態出来てないよね…。」 こいつは人間に擬態出来ていたと思っていたのだろうか。 とりあえず今の見た目は羽が生え、角は伸び、目は紅く光っている。おまけに体色も灰色っぽくなっている。 (それを考えるとまあまあ擬態出来ていた方なのか…?) 途端にベルが話しかけてきた。 「じゃあとりあえずこっちに来てもらうよー。」
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加