3人が本棚に入れています
本棚に追加
そんなある日、明菜を家に招くことにした。
今日は早く解散したので、両親が仕事だという明菜だけを連れて家に帰ってきた。
「あら、お帰り。早いわね」
「うん、皆もう帰っちゃったから。でも友達連れてきた!」
庭のお花にお水をあげていたお母さんは、いつもより早く帰ってきた俺に気付く。
仲良くなった子を家に招くのは久々だ。俺も浮かれていた。
「そうなの?どこ?」
「ほら、ここ!明菜っていうんだ!」
今まで背中に隠れていた明菜を横に並ばせる。
お母さんは明菜を見て・・・何故か何故か首を傾げた。
俺はその仕草の意味がわからず、同じように明菜を見てみた。
明菜は・・・お母さんの表情を見て、悲しそうな顔をしていた。
「・・・真。明菜ちゃんって、名字は?」
「え?えっと・・・なんだっけ?」
会ったときから名前で呼んでいたためにド忘れをしてしまった。
明菜のほうを見て答えを求める。
・・・しかし、明菜はお母さんを見たまま口を開いたり閉じたりしていた。
「・・・あ、思い出した。名字」
状況に頭が混乱したせいか、逆に明菜の名字を思い出した。
最初のコメントを投稿しよう!