第9話 くだるとか、くだらないとか

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 ただ、私は、”くだらない”=”良くないこと” とは思っていない。  ネットで調べてみると、そこまで言うかぁ? ぐらいの全否定。  本当にそうなのだろうか?  私は、”取るに足りない”とか、 ”ばかばかしい”とかは、その通りだと思っている。  けれども、”つまらない”はどうだろう?  もし、”つまらない”に ”面白くない”とか、”退屈な” といった意味が含まれるなら、 それは違うと思う。  例えば、”くだらない話”は、 いつも退屈で、いつも面白くない話、 そんな風には言い切れない。  取るに足りないけれど、ばかばかしいけれど、 ちょっと面白い話。  真面目に聞いて、役に立つ話ではないけれど、 気持ちを和らげてくれる。  そんな話なのだと思っている。  ”くだらない”が口癖になっていると、 くだらない人間だと思われてしまう。  そんな記述があって、少し悲しくなった。  その文章の主題は、 自分の価値観を他人に押し付けるな。 というものであるし、 ”くだらない”のとらえ方が 私とは根本的に違う。  だから、そんなに悲しむ必要はないのかも知れないが、 私は、くだらない人間でいい。 くだらない人間でいたい。  そう思っているから、 そこまで言うかぁ?の全否定には少し悲しくなってしまう。  「まともに相手にするには、ばかばかしいが、 面白くて疲れない、良い奴だよ。」    そんな風に言われる人間でありたいと思っている。  
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