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穏やかな朝日を浴びながら、ぼんやりと一時間目の準備を始めるショートホームルーム。
担任教師がその日の予定を告げる淡々とした声を聞き流しながらふと思う。
そう言えばもう、卒業も迫ってきている。
「うちのクラスは10時半から集合写真だから、女子は髪決めときなー」
「いや余計なお世話だから」
あはははは
和やかな教室の風景。
こうしていれば素晴らしいクラスなのに。
ため息を小さく落として外を見ると、真新しい長袖体操服の中にひとり浮いた身なりの男子を見つけた。
春が始まる冷たい風に吹かれながら、ブレザーのポケットに両手を突っ込みだらしなく歩く影。
クラスの問題そのイチ、不登校児のご登場だ。
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