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しばらくして、
ミカが呼ばれて診察室に入っていった。
その頃には座席も空いていたので、
俺はサヤカと並んで座った。
六十代くらいのおばあさんが診察券を受付に渡してサヤカの隣に座ろうとしたので、
俺はサヤカを太ももの上に乗せて席を広く空けた。
おばあさんは「すみません」と言って隣に座った。
俺は軽く頭を下げて、
サヤカの顔を見た。
足に乗せられたのが恥ずかしいのか、
口を閉じたままはにかんでいる。
俺が頬を膨らまして目を大きくすると、
サヤカは笑った。
「しーっ」
俺が人差し指を自分の唇に立てると、
サヤカもまねをした。
隣のおばあさんがサヤカに向かって言う。
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