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「お嬢ちゃん、 何歳?」 「3歳」  そう言って口に当てていた指に二つ足しておばあさんのほうに向けた。 「可愛いね。 パパに似てるね」 「パパだって」  大声でそう言ったサヤカの唇に、 俺は人差し指を立てた。 ミカとサヤカと一緒に居るとよく家族だと思われる。 サヤカと似ていると言われたのはこれが初めてではない。  しばらくしてミカが診察から出てきた。 俺は席を立ち上がった。 「ミカ、 大丈夫か?お医者さんなんて?」 「ただの風邪だって」 「ママ、 大丈夫?」  サヤカもミカの脚にしがみつきながら心配そうに見上げている。 「ママは元気よ。 ちょっと熱あるだけだから心配しないで。 お薬飲んで直ぐによくなるからね」 「よかった」  サヤカはミカの脚に頬を当ててきつくしがみついていた。 俺らは待合室の座席に再び座った。 ミカを挟んで三人で横に並んで座った。
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