7人が本棚に入れています
本棚に追加
/107ページ
「ロイロには会ったよ。それにクチナシは仲間だ」
「仲間?」
「言っただろう?僕はRAU対策局局員。クチナシも局員さ」
「リアルの話はしないでくれ。ただ…一度でもいいからあってみたいな」
「それはゲームでの話かい?」
「そうだ。そうに決まってるだろ」
男の汗は止まらない。スライムの生産も、止まらない。
「ここはなぜこんなに暑いんだい?」
「冷房が壊れたんだ」
「なら、涼しくすれば君の汗は止まるかい?」
「当たり前だろ」
「君の汗が今何になっているか自覚はあるかい?」
「なにかネバネバしてるんだろ」
「スライムになってるんだ」
「は?スライム?何を冗談を」
「君は昨夜、スマホの操作中に寝落ちたんじゃないかい?」
「そうさ。でもそれがなにか?」
「真実を話そう。君はRAUになった。そして今、君のアビリティの暴走がこの街を破壊している」
「は!?お、おれは何も知らない!!!」
「RAU対策法に基づき、君を拘束しなければならない!
だが、もし君が自ら出頭したならば罪状は軽くなることもある」
「RAU!?RAUだって!?いやだ!収容所には行きたくない!!」
晴嵐の腕にしがみつく中年男、その体を伝って晴嵐にもスライムがまとわりついてくる。
「収容所に行くわけじゃないさ。それに来てくれたらクチナシと会えるように計らってもいい」
「…………」
「別にこのまま動かないという選択肢も無いことはない」
「あ、じゃあこのまま…」
最初のコメントを投稿しよう!