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キョトンとした顔で安心する中年男。
しかし間髪入れず晴嵐は脅しをかける。
「ただし、その場合僕の力で「凍らせて運ぶ」事になるよ。
まぁ、その方がスライムも汗も止まるしいいんだけども、一つ間違えば君の心臓まで止まってしまうかもしれない。
どちらにしろ君が決めればいいさ」
「……い、いく。おれが歩いて行く」
「よし、だったら僕が先に行くからついてきてくれるかい?」
「わかった…」
晴嵐は玄関まで行きぴーちゃんのいる場所に手を向ける。
ゲームのスキルではなく自前の想像物を氷塊として形にしていく。
背後からのしのしと多大な肉を震わせ男が歩いてくる。
久しぶりの太陽光に当てられてか、外界の惨状を見てか、男は声をも震わせた。
「君が素直に出てきてくれて助かったよ。この道を維持するのは少し辛いらしいからね…」
足下からは冷気が感じられる。
中年男の汗は止まったというのに、今度は晴嵐の額に汗が滲んでいる。
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