#case. 1 暴走車

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スポーツカーがドリフトをして向き直る。 すぐにエンジンをフカし、パトカーの前面に迫る。最前のパトカーが急ブレーキを踏む。 スポーツカーはそれに乗り上げ横回転しながら、玉突きを起こすパトカーを飛び越える。 地面への落下が始まり、運転手はハンドルを握りなおす。 衝撃を感じ、バックミラーに見えるベコベコになったパトカーに優越感を感じ、再びアクセルを踏む。 「!?」 ガン、ガンと何度も踏みつけるが一向に進む気配がない。 「なぜだ!?動け、動け!」 「何しても動かないよ」 はっきりと聞こえた声。 「なんっ!?」 声に反応して窓を見る。 運転手に見えたのは水が意思を持ったヘビのようにスポーツカーを捉えている。 窓は開いているのに水は入らない。
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