第一章 都市伝説

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 論より証拠、自衛隊で特殊任務を担当している父は仕事を手伝わせる魂胆らしく、「時給を弾むから」なんて猫なで声を出すときがあるが、今のところ応じていない。たしかにバイト代はガッポリ入るが、一度だけアルバイで任務を手伝ったら、それが相当ヤバイ事件だったからだ。  だから、よほどの訳がない限り、景子は《もう勘弁》と考えていた。いくら県大会を勝ち抜く実力があっても、それは健全なスポーツの世界でのこと、ヒーローの真似事など危なっかしくてやってられない。  なのに怪奇事件が、向こうからやってくる。
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