第一章 都市伝説

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 今回の事件は塾からの帰り道、北島が顔を大きなマスクで隠した老人が、『君、ナンバーナインを知らないかね? たぶんハタチくらいだと思うんだが』  と、訊いてくるんだそうだ。  時間にして午後九時、家路を急ぐ北島が、近道しようとシャッターが締まりまくった商店街を通り抜けようとした途端、その老人は背後から声をかけたという。  「知らない」と、答えると、老人は「そうかね、それでは気をつけておかえりなさい、お嬢さん」と、言って離れたのだが、異変が起きたのはそれからだ。向こう側から四人の老人が、こちらへやって来る。  みんな先ほどの老人と同じ姿で、顔もそっくり。
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