第一章 都市伝説

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 その一人が、先ほどの老人に声をかけた。  「見つかったか?」  「いいやダメだ」  と、老人は首を振った。  気味が悪かったものの、北島は(五つ子かもしれないし、べつに関係ないじゃない)と、無理やり自分を納得させて商店街を通り過ぎた。  で、また声をかけられた。  『君、ナンバーナインを知らないかね? たぶんハタチくらいだと思うんだが』  セルフも同じだ。  振り向くと同じ老人。  なんだかミステリー小説みたいだが、景子が「六つ子なんじゃないの?」と、言えば、「たとえそうでも不気味じゃない、それに人間の声じゃなかった」
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