第一章 都市伝説

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 「わたしもフツーですぅ」と、やりかえしたものの、とうとう三田に押し切られてしまった。親友の三田には逆らえない。時間が巻き戻っているので、その事実は消えているが、景子は覚えている。三田は命の恩人なのだ。  (北島の強襲でピンチだったところ身を盾にして助けてくれた……。これ忘れたら、人間としてダメでしょう。でも……)と、景子は思う。  あの事件で、魔女のように見えた北島と、その犠牲になった三田が談笑している姿はシュールだ。  (そう、今の北島は恐ろしいどころか、頼りになる学級委員長、もう襲われることはないし、冬休みに一緒にカラオケで騒いだ仲じゃない!)    そう考えるのだが、やはり怖いものは怖い、だから三田に「かっちゃんも来て!」と、泣きを入れた。  ところが、「悪い! 先約があってダメなの、明日は付き合うからさ」  と、断られてしまった。駅前のファンションビルで買い物をするという。  「バーゲンなんだよね、デニムのワンピが欲しいんだって」
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