第二章 対決

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 もちろん、声は中のイヤホンから聞こえるだけで、外には漏れない。  「え! ショボ……。軽自動車くらいじゃない」  いつだったか父の愛車が壊れて、業者を呼んで修理したことがあり、それくらいの馬力だと教えられたことがあったのだ。  しかし今日のゴンタロウは強気だった。  なんせ、「もしものことがあります」と心配して、リュックに偽造した大型バッテリーがつながっている。  「ご安心ください。あくまで日常モードでの出力です。「この背負っているリュックは伊達じゃないですよ、中身はオプションのバッテリーです。これを使えば千馬力ですよ。すごいでしょう! いきなり十倍ですよ! 十倍! 電力をフルチャージャーされて力が有り余っているんです。おまけに人工皮膚の下はいつものアラミド繊維や炭化ケイ素のセラミックの防備ではありませんよ、なんとチタン合金の装甲までオプションで装備しています。頭や胴体の特殊装甲なんか厚さ七十ミリです、機関銃で攻撃されても怪我なんかしませんし、防熱効果もあるので火炎放射器でもへっちゃら。今のあなたはスーパーウーマンです」
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