第二章 対決

7/17
前へ
/43ページ
次へ
 「ああ、うっさい、大袈裟に言うけど、それくらいの馬力ならスポーツカーもあるじゃないの、なんだかセコイ」という景子に、アンドロイドは『失礼な! この自分のサイズだと驚異的なモーターの力です』と、叱られる。  「とにかく人間が百人来たって大丈夫! 象に踏まれても壊れません」  「物置の宣伝か!」  ただし、このフルパワーモードはエネルギーの消耗が激しく、三十分以上戦うとオーバーヒートで機能が停止、自動的に上半身が開いて中の人間を放出する。  「ちょっと待って、そんな大層なものなの?」  そう言われて、「通常モードの十倍です。人間の馬力は0.2馬力、鍛えられても0.5馬力くらい、どっちかといえば、こっちより、あっちが怖がるくらいの力の差です」と、また叱られてしまう。  「なんで人間よりもアンドロイドの方が偉そうなのよ」  と、釈然としないヒロイン、景子だった。
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加