エピローグ

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 で、翌日の下校の時間、ニコニコと笑顔で景子は帰宅できたかといえば、状況はなんら変わらなかった。  景子は北島と手をつないで、へっぴり腰で帰宅していく。  無理もない、北島にしてみれば、昨夜、変態ジジィに襲われそうになったのだ。  ある意味、痴漢は女性にとって幽霊よりも始末が悪い。オバケは脅すだけだが、変態の場合、運が悪ければ殺されてしまう。  「しばらく一人で帰れないよ、へーへへへへへへ!」  そう言いながら、照れ笑いをするのが怖い。  (ああ、でも怖い、やっぱり北島小夜子が怖い)  気さくで頼りになる学級委員長なのに、その笑顔がチクチクと針のように景子のトラウマを刺激してくるのだ。
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