プロローグ

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 「怪人? 《おばけ》みたいなもの?」  「そう、おばけ」  もうダメだった。《おばけ》というNGワードがピンポン玉のように、頭蓋骨の内側を連続して跳ね返っていく。  背中は脂汗でびっしょりだ。  「でも、空手部の部活あるから」  と、断ろうしたら、先ほどの「ずーと待ってるから」という返事だ。  「ちょうど、こっちも生徒会の会議があるのよね、終わったら校門で待ってるから」  こう言われると、もう断れない。  北島の言いなりになるしかない景子だった。  
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