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ユキハside
「それで、なぜいきなり学校の話を?」
帝として、必要なのかな?
「和国では、義務教育というものはあったかの?」
「いいえ。学校も都市にしかありません。」
こういう和国の事情は既に調査済だ。
ちなみに、ハイセとリヒトには口を酸っぱくして自分たちの設定と、私の設定を守るように言っている。
「そうか。我が国では、高校まで義務教育なのじゃ。更に、大学院まで無償で行ける。」
「そうなんですか。」
ハイセとリヒトは勉強してたのかな?
「お前さんも、後ろの子らも義務教育対象年齢じゃから、ワシのツテを使って学校に行きなさい。」
そこまで真面目な表情で話していたが、ふっと表情を和らげる。
「世界で最も力があるのは知識じゃ。知識があれば大抵のことは正しい方向へと向く。知識を持つことで、お前さんたちはもっと前へと進めるじゃろうよ。」
だから、ワシはお前さんたちが学校へ行くことを望む、と柔らかく訴える。
だから、ギルドの名前が『知識の門』なのか、と納得する。
「分かりました。私は行きます。ハイセとリヒトは?」
「…場所による。」
「あ、僕は行きたいです…。」
マスターが更に笑みを深くする。
「ここから離れた所にある学園都市アリアスだよ。そこの学園長とも理事長とも交友があってね。」
「アリアスか。なら、俺もいく。」
よくわからないが、納得したようで、ハイセは素直に頷いたのだった。
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