いつか会えるその日まで。

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彼女の顔が、無くなっていた。 「"彼女"からのメッセージよ」 先輩の大人びた透明な声が、僕を縛り付ける。 「……ずっと待ってるから」 先輩の蕩けるような瞳が、僕を熱く見つめる。 「お礼がしたいのかしら、でも残念ね……しばらくは会いに行かせられないわ」 「……なにを言って」 「言ったでしょう? 私も君をずっと待っていたのよ」 背後に彼女が横たわる。先輩の後で僕が殺した彼女が横たわる。 先輩の手が触れる。彼女を殺した僕の頬に、滑らかで暖かなぬくもりが触れる。 先輩の唇が触れる。僕とキスした小さな唇が、冷えて凍り、緊張で熱く燃えた耳に触れる。 「……いつか、いつか私を殺してくれる君に、やっと会えたのだから。約束よ、いつか私を殺してね」 美しい先輩は、より美しく。 綺麗な先輩は、より綺麗に。 妖艶な先輩は、より妖艶に。 怪しい先輩は、より怪しく。 おかしな先輩は、よりおかしく。 頭、おかしいんじゃないのってくらいに幸せそうに微笑んで、僕に長いキスをした。 *end*
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