いつか会えるその日まで。

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三年生である先輩と、一年生である僕とでは当然教室が違う。 「じゃあ、お昼に図書室へ来てね」 先輩はそう言うと綺麗な仕草で片手を振り、階段を上っていった。 「……行かなきゃいいのにさ、僕も」 頭をくしゃっと掻き回してため息。たまたま見ていた友人から「先輩からの誘いだぞ、絶対行けよ! むしろ俺と変われっ」と言われているのを無視して、席につく。 言われなくったって行くよ。行かないとあの先輩……ずっと待ってるんだから。 午前の授業を適当に真面目にやり過ごして、昼食のパンを片手に図書室へ。もちろん図書室は飲食禁止だが、食べないわけにもいかない。 図書室へ行くと、先輩の姿はなかった。代わりに、受付カウンターの係りの生徒が手紙を預かっていた。 今朝の封筒とは趣が全く違う。メモ用紙を半分に折っただけの手紙。……ちょっとイラッとしたけど、二つ折りの手紙を乱雑に開くなんて事も出来ないので普通に開く。 "第二図書室へ来て" この高校で図書室と言えば今、僕がいるこの部屋だ。しかし先輩は僕に、もうひとつの図書室を教えてくれた。そっちに僕を呼んでいるんだ。 ……本棚の森を抜けていく。
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