圭吾

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洋子たちを受け入れた当日、圭吾はゴールデン・ ウィーク中の祝日であったが、会社に出勤していた。 帰宅すると洋子の子供たちと娘の美紀は自宅の前に ある公園で、何の抵抗もなく遊んでいた。 ベランダのサッシを開けると、美紀が 「あっ、お父さん、お帰り」 とこちらに気づいて声をかけた。 それ以降、子供たちは「お父さん」を名前だと思ったのか そろってそう呼ぶようになったのである。 なぜなら、子供たちにとって父親は「パパ」であり、 お父さんではなかったから...... その頃、洋子は一度、一人で自宅に戻っていた。 置いてくるのを忘れていたキャッシュカードやクレジット カードなんかを置きに......
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