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「私もな、ここが地元なのだよ」
「へぇ、小鳥遊さん近所だったんですか?」
「ああ、子供の頃は、よくこの公園で遊んだもんだ。小鳥のようにな」
「あぁ、そうなんすね。んじゃ寂しくないっすか?公園が変わるの」
「そうだな。しかもこの木は、この公園のシンボルみたいなものだったから、倒れたこの木を見ているとたまらないよ」
「だから最後にまわしたんですね」
「この公園で遊ぶ子供のルールだったんだ。ここで遊ぶときは、必ずこの木に声をかけて遊ぶことってね。いつの頃からなのか、我々の先輩からも代々受け継がれていたルールだったんだ」
「へえ、そんなのあったんですねぇ」
「この木だけでも残してくれって声もあったんだけど、聞き入れて貰えなかったのだ」
「なんか気分が落ちますねぇ」
「ホントに思ってるか?まあ、なんだな」
小鳥遊はしゃがんで、斬り倒された大木を撫でた。
「いつもこの公園に来ると、帰ってきた!って気分になるんだ。きっとコイツが待ってて、出迎えてくれてたように思うんだ。だから」
お疲れさま。
ずっと待っててくれてありがとう。
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