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「え~、未成年がこんなとこ来ちゃダメじゃな~い!」
ナツコさんが笑いながら私の隣に座った。
やっぱり、可愛かった。
精一杯背伸びをしていた私は、座って早々にポケットからタバコを取出し、一本口に咥えた。
阿吽の呼吸でママさんがDさんに火を着けたように、ナツコさんが私のタバコに火を着けてくれた。
「未成年が吸ったらダメじゃな~い。」
ナツコさんはいつも笑っていた。
この笑顔を見ると、今までのストレスが吹っ飛んでしまう。
中学生の頃も、友達と缶酎ハイなんか飲んでたことはあるけど、がっつり酒、それもウイスキーの水割りなんか飲んだことはなかった。
ひどく酔っ払った私は、ナツコさんとどんな話をしたか覚えてなかった。
それでも、自分のやるべき事はやらなきゃいけないと、家を出てから常に考える癖がついていた私は、気が付いたら部屋に戻って、いつものように朝6時に起きていた。
数日たったある日。
別の場所で仕事をしていた私。
内線でKさんに事務所にくるよう呼ばれた。
Kさんは私の親代わりの人だった。
昔、任侠の世界にいたらしく、私が初めて会った時も、「この人めっちゃ威圧感あるな」って思うくらい凄みが滲み出ている人だった。
「おい!パンドラ!これ何だ!」
怒りの表情で私に言ったKさん。
恐る恐る、Kさんのデスクに近づいた私。
デスクの上には一枚のハガキがあった。
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