6国目 美しき姫のいる国

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他は良い人なのになんでお姫さんだけ性格悪いんだろ…。 「キャンキャンとよく吠えておるのう」 甲高い声が気にさわったのか目を細めて馬車を見てるし、ソレイユとお姫さんは関わらせないようにしよう。 うんうんと一人うなずいていると気をきかせたハッパが、先頭から俺のいる最後尾まで来た。 「姫様が失礼しました。 実は立て込んだ事態が起きてまして、姫様は気が立っておられるのです」 「立て込んだ事態?」 「はい。カズ様は鬼というものをご存知ですか?」 鬼ってあの鬼? 昔話で出てくるのは 角があって、酒と女が好きで、狂暴で、パンツしかはいてない…そんな感じだよな。 「我々も鬼は見たことがないのですが、そのように伝わっています。 昔には鬼に襲われた、戦ったなどの歴史も我が国にはあります」 つまり創作の生き物でなく実在していると。 「で、鬼が?」
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