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「わきまえろ、人間。唯一神でないとはいえ私は神。
次に私を敬う気持ちを忘れた時、そなたは消える」
さっきまでの穏やかな気配は無く、はりつめた空気をまとう神を見て、
俺はやっと目の前の存在が神なんだと実感した。
「申し訳…ありません…」
俺はそれしか言うことができなかった。
神が首もとから刃を離すとどっと汗がわきドキドキと心臓がなるのが分かった。
「そなたを選んだのはある程度知能と判断力があり、人間を間近で観察するにあたってよさそうな年齢だった、それだけの理由じゃ」
さっきの冷徹な顔をみじんも見せずに何事もなかったかのように話しを続ける神に、
姿は人間そっくりでも価値観や考え方が違う、存在なんだと感じさせられてしまう。
人間とは相容れない存在…。
とりあえず敬語じゃなかったのがダメだったようだし気をつけよう。
まだ死にたくないし、って死んでるけどね。
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