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今まで内に秘めていた恋心がみごとに玉砕してしまい傷心の俺は、とぼとぼと家に向かっていると、向こうの道で陽介と可奈が仲良く手をつないで歩いているところを見つけてしまった。
あの様子じゃ上手くいったみたいだな。
最悪だ。
わざわざ今日二人の姿を見るなんてついてない。
「ハァー」
今日はため息が多いな。なんか人生の幸運がどんどん外へ流れていく気がするんだけど。
なんてことを考えていたら本当に俺は運がなくなってしまったようだ。
ゴーという大きな音が聞こえたと思ったら車がものすごいスピードで俺のいる歩道に向かって突っ込んできた。
巻き込まれて轢かれていく人、叫び声、迫ってくる車。
一瞬のことのはずがスローモーションに見えた。
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