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「和真!」
「和真君!」
俺の視界は空と地面でぐちゃぐちゃになったあと、
陽介と可奈の涙でゆがんだ顔でいっぱいになった。
「すぐ救急車来るからな!大丈夫だから!」
「和真君!和真君!しっかりして!」
必死に叫ぶ二人を見てなぜか冷静に、ああ二人は無事だったんだな良かった、なんて思えた。
俺の大切な二人…。
「し…わせ…に……な…れよ」
最後の力を振り絞って出した声はかすれていて、陽介と可奈に届いたかはわからない。
俺の意識はそこで途切れた。
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