後からのお楽しみ

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「お邪魔しま……す、」 先に玄関のドアを開け部屋へと入った由貴の後から、緊張しながらそう言って靴を脱ぎ始めれば「ご丁寧にどうも」って、けらけらと由貴が笑った。   どうやら意識しているのは俺だけで、由貴は何とも思っていないらしい。まぁ、付き合い始めてから何度か由貴の家に遊びに来たけれど、本当に遊んだだけで、恋人らしいことは何一つしていないもんな。キス……ちゅっと軽いキスをしただけ。 由貴は、へへっと笑ってそれだけで満足そうだったし、付き合ったばかりだしって、俺もそれ以上の行為をしようとは思わなかったけれど。でももう、そろそろ次のステップに行っても良い時期じゃないかって、一人の時はそればかり考えてしまう。 せめてもう少し濃いキスを──って、そうしたならばキスだけじゃ終わることはできない。どこまで触れるのは許される?服の上からなら大丈夫?……いや、どうせ服の上からじゃあ満足できないから、そういうことを考えるのをやめてスイカに集中しようって、ここに来る前に考えたじゃないか。 それなのにどうして俺はこうもそういうことばかり考えてしまうのか。 あぁでも触れたい。服の中に手を入れて直に。頬は柔らかいから、体も、触れたら気持ちいに決まってる。胸とか、アレとか。触れたらどんなふうになるだろうか。漏れる声とか、聞きたい。暑いこの季節だから、肌に汗が……。 そもそも由貴は、一人でやったりするのかな──……。
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