可愛い君

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時計を見れば授業まであと数分。 今から教室を出てしまえば、次の授業は出られねぇな。……よっしゃ、ナイス。そう言えばこの授業の課題やってなかったから助かった。 あぁ、横沢を泣かして正解だった。んでもってコイツがバカで良かった。 俺は後ろの席の奴に、汚物の処理をして来ると言って、哀れみの目を向けられている横沢を肩に担いだ。 「体調悪くて保健室に行った、とか何とか適当に言っててくれる?」 「……それはいいけど、横沢大丈夫?」 「あーうん。これ以上うるさくしたらゴミ箱にでも捨ててくるから」 「……え、」 戸惑うソイツにひらひらと手を振り、俺は横沢を担いだまま教室を出た。ある意味で公認な俺ら。俺の態度があまりにも酷いから、誰も付き合ってるなんて思ってないし、ネタとしてみんな流してくれる。 知らないだけで俺だって、コイツのこと甘やかしてるんだけどね。 俺は一旦横沢を降ろし、それから抱っこし直した。横沢はすぐに俺の背中に手を回す。ぎゅうぎゅうと抱きついてくるのがたまらなく可愛い。 「横沢」 「……なに?」 「お前軽すぎ」 そう言って背中をぽんぽんと叩いた時、……あれ?とあることを思いついた。 横沢って軽いし小さいから、マジでゴミ箱入るんじゃ? ちょっとだけってゴミ箱に入っている横沢を考えてみたら、想像以上に面白いし、可愛い。……くっそウケるわ。今度入れてみようかな。
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