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「痛かった?」
「いた、い……。何かもう、色々、痛い」
ぼろぼろと涙がこぼれ、コンクリートに染みを作った。泣いてる横沢を可哀想に思う気持ちもあるけど、それでもどうしても苛めたくなる。この俺だけに見せる泣き顔をずっと見ていたいって。俺はひねくれてるね。
「色々って?」
どこが痛いの?と、そう聞けば、横沢が俺のズボンを掴んだ。
さすがに見下ろし続けるのは俺も嫌だから、座り込んでいる横沢の隣に腰を下ろす。
「今、打った、とこ。あと、こころ、も」
「へぇー……。どうして?」
横沢が俺の胸に顔を埋めてきた。胸元をぎゅうっと掴む。その手が震えていて、またそれに興奮した。俺の口角が上がる。
「どうしてって、戸田が、」
「……俺が?」
「俺、のこと、好き……じゃない、から……っ、」
本当にそう思ってるの?俺が、横沢のこと好きじゃないって。
そんなこと言うなら、もっと苛めてやる。甘やかすその前に、もっと落としてあげる。
「よく分かったね、俺がお前のこと好きじゃないって」
「っ、あ、……ひぅ、」
あーあ、泣いた泣いた。
バカで可愛い横沢が泣いてる。ヤバいなぁ、かなりテンション上がってきた。可愛い可愛い。マジ胸きゅんきゅん。
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