懺悔

美優

高熱を出し保育園を休んでいたのだけれど、夜中物凄い悪夢を見て飛び起き吐血。こりゃ大変だと病院に連れて行くと、後少し遅かったら手術だった。と。

笑いながら追いかけて来る生首から必死に逃げ回る夢は、二、三歳の女児にはあんまりな悪夢だけれど、あの生首のおかげで手術を免れたのかと思うと、まあ、うん。

けど逆に、もし追い付かれていたら、どうなっていたのだろう。ちょっと怖い。

まあ、不幸自慢の内容としては、その後の薬や病院食の方がメイン。

たまたま隣のベッドに、同じ保育園に通うA男がいてあんまり病院を意識することはなかった様に思う。

でもやっぱり、点滴はずっと刺さってるし、何より薬！

初めて見る粒薬を、わたしは噛み砕いた。

だって、固形物だよ？ 噛むよね？ 普通。

当然の様に、何の疑問も持たず、躊躇なく粒薬を噛み砕いたわたしを襲ったのは、凄まじい苦味。

泣いた。
それはもう、大泣きに泣いた。

て言うか普通、あんな小さい子供に粒薬なんて出しますかね！？
わたしは今でも全然許してない。

しかも、何が腹立つって、A男は粉薬だったんだよ。
その上、粉薬をコップに水で溶いて、お母さんが優しくスプーンで「あーん」だ。

方やわたしは何の説明も無く渡されたクソ苦い粒薬を噛み砕き、大泣きするのを母親に爆笑されると言う。

何なんだこの格差！！

まあ、症状が変われば処方も変わるのだろう、が、やっぱ全然許せない。

極め付けは、病院食。
毎食必ずデザートに果物が付くのだけれど、これが何を血迷ってか、毎回パイナップル。

毎日三食パイナップルだ。
それも、缶詰ではなく、多分丸ごと売ってるのを切って出して来てる。

パイナップルてあれだよ？
なんかあの、肉を溶かす成分とかがあるんだよ？
それを毎食だよ？
わたし二、三歳児だよ？

舌痛くなるわ！

そりゃあ、最初は嬉しかったさ。
我が家ではまず出ない、ケーキより珍しいご馳走だよ。喜んださ。

でもさ、長期入院する患者にさ？ 毎食デザートでパイナップル付けるってさ、馬鹿じゃないの？

もう途中から親に食べさせてたよね。
パイナップル嫌いになったよね。

この件も、全然許して無いから。