第1章

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唐突だが、先日、俺の女装癖が母親にバレた。 だが、それを母親は受け入れた。 そして時は流れ、2月14日。 バレンタインと言えば、女の子が男の子にチョコをあげる日だ。 女装時の俺はそれはもう超絶美少女なのだが、通常時は根暗の非モテ男子に過ぎない。 当然、チョコなんて貰えない。だからといって、女装すればあげる側になってしまう。 たまに逆チョコと言い、野郎から貰うが、それはチョコとは認めない。 女子から貰ってこそだ。 こうして悩める俺は時間も忘れて黄昏ていた。 ――――すると、いきなり何かが降ってきた。 ハートの箱に少し不格好なリボン。正しく、女子の手作りのチョコに違いない。 しかし、これを一体誰が……? 振り返れば、パンチパーマのカーチャンが無言でピースをしていた。 やはり、カーチャンは偉大だ。 そう、何時だって俺を温かく迎えてくれるのだから。 .
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