第1章

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ーー2年後。 なんの前触れもなく届いたメール。 指定された場所に時間前に着いたが、約束の時間を過ぎてもあいつは現れない。 半泣きになりかけた時携帯が震えた。 『どこ……』 『いつまで待たせんだよ!』 電話口と同じ言葉が真後ろから聞こえびっくりして振り向くと、キョトンとした背の高い男と目があった。 「……」 また背が伸びてだいぶ大人っぽくなったあいつは、耳に携帯を当てたままにかっと笑った。 『……り』 『は?』 『おかえり』 俺の言葉にあいつは目を丸めた後、たまらず吹き出した。 「ただいま」 俺は手の中の携帯をポケットに入れるのももどかしく彼に駆け寄った。 《終》
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