第1章

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 僕は2月14日生まれだ。  世の中にバレンタインデー生まれの男が何人いるか知らないけど、僕の場合はかなり微妙だ。  母親や姉貴は誕生日プレゼントとしてチョコをくれるし、(「でも高級チョコだから」とか言う。そういう事じゃない)学校の女の子達にまでプレゼントに手作りチョコを貰った。(「義理チョコもないバレンタインよりいいじゃねーか」と友人に愚痴られた。そういう事じゃない)  僕は人並みのプレゼントが欲しい。  そんな事を考えながら歩いていたら、妹に待ち伏せされた。 「またチョコを一杯貰ってる」  不貞腐れた顔で言われた。僕だって好きで貰ってるんじゃないと答えると、ますますぶーたれた。 「断ってよ」 「誕生日プレゼントを断れるかよ」 「それがあの人達の作戦なんだよ」 「え?」 「いい加減、自分がモテるって事を自覚してよ。鈍感馬鹿兄貴」
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