第5話 狙われています?

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ほんの十分間の出来事だったのに、私には、数時間を過ごしたかのように感じた。 そしてホテルが視界に見えるところまで到着したとき、咲夜さんは、ため息を吐いた。 「ったく。初日からこれかよ」 「あの――。さ、咲夜さん。さっきの車は」 「あぁ、尾行されてんだよ。さっそくな」 助手席から咲夜さんのほうを見上げ、恐る恐る聞いた私に、咲夜さんが前方を向いたまま、答えた。 「尾行!?」 私の背筋が凍りつく。 咲夜さんは携帯電話をポケットから取り出し、耳にあてた。
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