第1章

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 それからしばらくして、先輩から連絡が入った。血縁者らしい家を見付けたというのだ。 「まだ詳しい調査はこれからなんだがな、かなり有力な情報なんだ」 「ホントですか!?」  俺はスマホに食い付かんばかりの勢いで聞き返した。 「ああ。また詳しい事が分かったら連絡する」 「はい。お願いします!」  俺は電話の向こうに何度もお辞儀をしながら、ゆっくりと通話を切った。  興奮気味の俺はすぐに彼女の病室を訪れたのだが、「今日は体調が優れないようだ」と看護師に告げられ、仕方なくとんぼ返りとなった。  次の日、改めて病室を訪れると、彼女はベッドに横になりながらボンヤリとしていた。 「調子、どう?」 「うん。昨日よりは良いよ」 「そうか、なら良かった」  とは、言ったものの、俺は少し不安にかられていた。以前会った時より、確実に痩せていたからだ。  それでも、俺は不安な気持ちを晴らそうと明るい調子で話しかけた。 「昨日、先輩から連絡があってね。君の血縁者らしい人が見付かったって」 「え……?」  彼女がハッとしたように俺を見た。 「詳しい調査はまだらしいけど、何か分かったらすぐに報せてくれるって」 「そう、まだこれからなのね」  彼女は少し残念そうに言った。 「大丈夫だよ。かなり有力な情報らしいから。とりあえず、連絡を待とう」 「うん」  彼女は小さく頷いた。
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