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「ねえ?」
「うん?」
「病気が治ったら……」
「ああ。花見?」
「うん。またあそこのカフェ行こうよ。ケーキ、すごくおいしかったんだよね」
「そうだな。また行ってみよう」
「それから、いっぱい写真撮って……」
「うん」
俺は、楽しげに話す彼女に合わせて何度も頷いた。こんなに明るい表情を見たのは何日ぶりだろうか?
「詳しい事が分かったら、また来るよ」
「うん……」
「それじゃ」
そう言って部屋を出ようとすると、彼女は俺にしがみついてきた。
「っ! どうしたの?」
「また、来てくれる?」
「えっ?」
「ホントに、また来てくれる?」
「……当たり前だろ。必ず来るよ」
俺がそっと背中を撫でると、彼女はようやく安心したように体を離した。
「必ず来てね。ずっと待ってるから……」
そして次の日から、彼女には会えなくなってしまった。
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