始まり

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彼女は主人公、石倉 佑衣 、つまりは私の事。 中学3年の時、受験勉強の合間に母親が見ていたドラマを何気に見たのがキッカケでドラマの恋にハマった。 現実の恋もドラマ仕立てが好ましい。 そんな私にも高校生になって、好きな人ができて、初彼との交際に有頂天になった。 ドラマみたいな恋が始まるって… はじめは照れから始まるドキドキな手繋ぎ、指を絡ませて… 小さなトキメキが大きくなって… 「 ねぇ あの橋の真ん中で 私を引き寄せて見つめてほしいの 」 「 キスは唇じゃなくて、瞳からね? 鼻の頭、そっと唇…この順番で、時と場合をわきまえてね 」 付き合いはじめは 彼も私の要求に応じてくれる。 これが恋だって感じた。 ただの恋じゃイヤ。 ドラマにはたくさんの トキメキがある。 私も、その トキメキがほしい! 彼に会うたび、ドラマのシュチュエーションに似せて要求した。 「 ねぇ 私とケンカしたら… 私が涙を流したら 優しく抱きしめて、そして言って… 私だけだって 」 「 私が拗ねて背を向けたら 引き寄せてね… 」 他は望まない、お願いしてるだけ… なのに、彼は… 「 俺を好きだとは思えない! もう、別れよう、付き合いきれない 」 言われた… フラれた… 「 私の恋をどうしてくれるのよーっ!!」
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