其の2.恋人達の下校

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   「へぇ~。てっきり俺は喧嘩の申し込みだと思ってたけど……それが、愛の告白かぁ~。やったな! 麻生」 「もう、ダメ……」 さっきの昼休みに起きた出来事を、友達の春野が聞いてきたから、全部話した。 すると、呑気に春野は笑って、可笑しい事いうし……。 「大体、あんなの! 愛の告白とか、そんなんじゃなかったって!」 あれならまだ、喧嘩の申し込みの方が何倍良かったか……。 「確かに……教室に来た時は、告白するって感じじゃなかったけどな……ハハハ」 ハハハじゃないってば!! 「もう、勘弁して欲しい……。結局、訂正出来なかったし……あーぁ……」 ため息付きながら、思わず机に突っ伏した。 「いいじゃん。麻生、今まで一度も恋人居なかったんだし! これでお前も17年間恋人いない暦に終止符が打たれた訳だ。良かったな」
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