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「何でもないっ」
言ったら絶対ネタにされるのは目に見えてるからな! ここは黙秘権だ。
「とにかく、放課後が楽しみだな! 麻生?」
「……全然、楽しくない。あぁぁ……春野、俺と代わってくれー!」
「麻生、無茶言うなよ! 確かに、お前みたいな状況下じゃなくて普通にだったら、高田と一緒に帰ってみたいけど……俺には沙耶華ちゃんが、いるからな~♪」
浮かれながら、ちゃっかり学生証の中に入れてる春野の彼女、沙耶華ちゃんの写真を俺に見せてきた。
そして俺は即行ジト目で春野を見た。
春野、今まで俺は、こんなにお前の事を羨ましいと思ったことがあったろうか? いや、きっと……一度も無い!!
「まぁまぁ、放課後になったら状況が変わるかもしれないし、頑張れよ! 麻生」
「はぁ……」
何度春野にそう言われても、俺は先に待ち受ける下校の事で気が重く、今日何度ついたか分からないため息を、ついた。
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